イチジクの説明

別名:トウガキ、ナンバンガキ
科名:クワ科
分類:落葉小高木
原産地:アラビア半島南部

特徴

 300〜400年前に中国経由で渡来したといわれていますが、一般に広がったのは大正時代からです。葉は掌形で厚く、茎葉を傷つけると白い乳汁がでます。いくつかの品種が渡来しましたが、日本の気候に合うものが少なく、栽培品種は多くありません。寿命は比較的短く、10〜15年くらいです。


イチジクの果実

生食、丸煮、ジャム、果実酒が楽しめる

栽培カレンダー

栽培適地

半耐寒性で、寒さにあまり強くないので、東北地方以南が適地です。日当たりがよく、土層が深い場所を好みます。葉が大きく、枝も伸びるので、風当たりが強い場所では折れることがあるので、そのような心配がある場所は、避けます。

植え付け

 3月が適期です。さし木1〜2年生の苗木を入手して植えつけます。

整姿・剪定

樹形

 庭植えは、内部まで日が当たり、手入れしやすい杯状仕立てにして、樹高を2m以下にします。鉢植えは、枝をバランスよく配した自然形に仕立てます。

 庭植えは3年目、鉢植えは2年目の冬から、2芽残して芽の中間で切りつめる。
庭植え・杯状仕立て 植え付け時に、50〜60cmの高さで切りつめ、毎年新梢を切り戻して杯状の樹形をつくります。鉢植えは植え付け時に鉢高の位置で切りつめ、同じように新梢を切り戻します。



鉢植え・自然樹形仕立て



殖やし方

 冬季に剪定した1年枝で、節間がつまった充実している枝を貯蔵しておき、3月上〜中旬にさし木します。





果実管理

 夏果と秋果がありますが、冬季に剪定で枝先を切ると、新梢につく秋果が収穫の中心になります。短果枝は結果が少なく、大果になるのでそのまま残し、長果枝は結果が多いが小果になるので、一枝あたり8〜10果残し、他は摘果します。庭植えは100果、鉢植えは5〜6果が収穫の目安です。

肥料

 10月に、根回りに配合肥料を2〜3握りばらまき、軽くすき込みます。鉢植えは、植え付け後1ヶ月目の4月に固形肥料を3〜4粒置肥し、毎年同時期に追肥します。

固形肥料

配合肥料

病害虫対策

 1〜2月に、石灰硫黄合剤10倍液を散布して予防します。5月上旬にベンレートで消毒しておきます。鉢植えは、スプレータイプを利用すると便利です。