ディルの説明

ディル(和名:ヒメウイキョウ)
Dill(Anethum graveolens)
セリ科イノンド属 1年草 2年草

 イノンド属は、旧世界の温帯地域に、2種が分布している。
 ディルは、ヨーロッパ大陸南部から西アジアにかけての広い地域が原産。
 葉は、青みを帯びた緑色。三回羽状に裂ける複葉で、大変細かく、また、よく枝分かれする。草丈は80から100cmほどで、初夏に、黄色の小さな花を散形花序に咲かせる。結実がよく、簡単に種子がとれる。ディルの生葉は、薹がたちはじめるころまで利用でき、特に温帯地域での秋まきのものは、味、香りとも最高品質となる。

【種子】
茶褐色で、2〜3mmほどの扁平状。

【種子まきの時期】
春まき:3月下旬から5月 秋まき:9月から10月
実入りのよい種子や、味、香りのよい生葉をとるには、秋まきがよい。

【鉢、プランターでの栽培方法】
鉢、プランターに直まき、または育苗する。鉢は5号から7号鉢(素焼きの深鉢が最適)、プランターは20g入りが大きさの目安。

【土の目安】
畑土または黒土50%、堆肥10%、腐葉土20%、バーミキュライトまたは中粒の鹿沼土20%。

ディルの利用法

ヨーロッパ大陸では大変人気のあるハーブで、古くから薬用、料理用、にも利用されてきた。ディル独特の風味がピクルス、酢、魚などとよく合うので、欠かせないハーブのひとつである。サーモンのオイル漬けには、必ず利用される。種子は大変清涼感があり、食後3〜4粒口にするとすっきりする。
 また、茎が魔女の「箒」として使われたという言い伝えもある。
ブーケ・ガルニ

スープやシチューを煮込むとき、香味付けに使うハーブの束のこと。
魚のスープにはディルフェンネルパセリタイムレモングラスを束ねて煮込む。

ディルの効能

芳香性健胃、駆風剤、尿分泌促進、生殖力抑制作用