フェンネルの説明

フローレンス・フェンネル(和名:イタリアウイキョウ)
Florence Fennel(Foeniculum vulgare dulce)
セリ科ウイキョウ属 1年草

 ウイキョウ属は、ヨーロッパの広い地域に数種が分布する。
 フローレンス・フェンネルは、ヨーロッパ南部から西アジア地域一帯が原産。
 葉は鮮緑色、羽状に裂ける複葉で、大変細かい。草丈は80〜120cmほどで、初夏から夏にかけ、黄色の小さい花を散形花序に咲かせる。
 かなり古くから栽培、利用されており、ヨーロッパ南部地域の料理には欠かせないハーブのひとつである。若い茎は甘みがあり、葉柄基部に土寄せし軟白肥大化(食用部分に土を寄せて光や風を遮断し、白くさせ、太らせること)させ、生食、煮食用として利用する。若い茎はサラダに利用できる。

【種子】
2〜4mmほどの、丸みをおびた扁平状。

【種子まきの時期】
春まき:3月下旬から6月 秋まき:9月から10月
冬期12月から3月上旬ごろまでを避ければ、随時種まき可能。

【鉢、プランターでの栽培方法】
鉢、プランターに直まき、または育苗する。鉢は6号から8号鉢(素焼きの深鉢が最適)、プランターは20g入りが大きさの目安。

【土の目安】
畑土または黒土50%、堆肥10%、腐葉土20%、バーミキュライトまたは中粒の鹿沼土20%。

フェンネルの利用法

 フェンネルの種子は細かく砕いたり粉状にするとパンやお菓子など甘い物によく合う。砕いた種子は、中国の「五香粉」に欠かせないスパイスでもある。
 フェンネルの香りの成分には矯臭効果あり、別名「魚のハーブ」とも呼ばれるほど魚料理と相性がよい。魚の生臭さや脂っこさを消し、すっきりとした味になる。中国名では「茴香(ホエイシャン)」といい、鮮度の落ちた魚に用いると香気が回復することから名づけられたといわれ、やはり魚との適合性をよく表している。魚料理には生の葉を用いる。細かく刻んでソースに入れたり、そのまま料理の飾りつけにする。日本料理ではさばや鮭の料理によく使われる。
ブーケ・ガルニ

スープやシチューを煮込むとき、香味付けに使うハーブの束のこと。
魚のスープにはディルフェンネルパセリタイムレモングラスを束ねて煮込む。

フェンネルの効能

頭痛・歯痛、せき・気管支炎、食欲増進・消化促進、利尿、炎症、肥満防止